はぴはぴかむかむ

濵田崇裕さんのあれこれとか。X→@hamataka1219

あの子に、想いを馳せて。

インターネットの海をふわふわと漂っていると思ってもみなかった出会いがあります。

 

むかしむかしあるところに、と語り始めなきゃならないくらいの遠い昔の出来事。

いや、私の中では昔の出来事なんかじゃなく色鮮やかな記憶として息づいているのだけれど。

ジャニーズWESTのファンや関西ジャニーズJr.のファンの大多数が実際にその姿を見たことがなく、今でも一連のあれこれを覚えているのはごく少数のWEST担と元関ジュ担で今は他の誰かを応援しているという人、それに加えて松竹座時代からずっと関ジャニ∞を見続けてきた古参のeighterくらいでしょうか。

だから、もう10年近くも前にいなくなってしまった子の話はごく限られた身近な友達としか共有できないものと思い込んでいました。

 

そんなある日手元のスマホの着信音が鳴り、飛んできた一通のマシュマロ。

内容を見て驚きました。

マシュマロは匿名のメッセージを受け取るサービスなので、当たり前ですが見ず知らずの方からのメッセージが突然届きます。

スマホに目を落とすと、私に投げられたマシュマロは自担の相方…今はもう名前を呼べないあの子のファンをしていた方からのものでした。

 

そこには、あの子が消えたことが辛くてジャニーズからフェードアウトしていたこと、『証拠』をきっかけにWESTに再度目を向けて松竹座やダブトラ配信なども観たことが丁寧な文章で綴られていました。

その方からメッセージを頂けたことが心の底から嬉しかったです。

だって、あの子のファンだった私の古い知り合いたちは皆関ジュから離れていってしまったから。

春夏秋冬と季節が巡るごとに待ち合わせなんてしなくても顔を合わせていた人たち、直接の知り合いではないから名前なんて知らないけれど「あぁ、あの人はよく会場で見かけるあの子のファンだ」と顔を覚えている人たちも一切見かけることがなくなって。

関ジュ時代の濵田さんの歴史を辿る際にも存在自体が抹消され、そのせいでろくに古い映像すら出せない自担の昔の足跡をあの子も含めた思い出として語ることができる相手はろくにいなくなってしまったのでした。

恋涙』や『青の時代』『Eden』などの先輩曲を二人が誇る美しいユニゾンで歌い上げていたこと、『さよなら~二人の空~』や『Battle』『Love or guilty』『GIVE ME』『STAY GOLD』といった数々のBOYSオリジナル曲を引っさげて華やかにパフォーマンスしていたこと、それを知る人はいてもBOYSというユニットの担当をしていた当事者同士として語ることはできなくて。

B.A.D.担や7WEST担だった人たちが過去を大っぴらに語るのをただただ羨ましく思っていた私にとって、きっとあの頃ステージに立つBOYSを熱い眼差しで見つめながら彼らがデビューする日を思い描いていたであろう方からのメッセージは涙が出るくらいに嬉しいものでした。

 

愛くるしい子犬みたいなジャニーズ顔で歌もダンスも上手くて、入所当時からプッシュされて、誰よりも高いプライドを持っていた子でした。

容姿にも実力にも恵まれたその子に対抗できるのは、同じ年に入所した新人Jr.の中では今振付師となっている子くらいのもので、その子たちのために入所後すぐにBOYSという5人ユニットができて。

その事実が悔しくてたまらず、無所Jr.の劣等感を打ち消すために「俺もユニット組になりたい!」と叫びながら死に物狂いで前へ前へとがむしゃらに進み、自分のためのユニ結成を実現させたのが照史くんでした。

関西のトップは名前を呼べないあの子と照史くんの二人で、B.A.D.とBOYSは常にライバルとして争っていたけれどその争いはある意味二人の代理戦争のようなもので。

まるで水と油の二人、そのどちらがデビューの夢を掴むのかと私は固唾を呑んで見守っていたのです。

私が長く応援している自担が唯一背中を預けてもいいくらいに信じていた、こいつとこの先一緒に戦っていくんだと名前を呼べない子のことを語っていた。

自担が片翼だと認める相方だもの、自担は私にとって絶対的な存在だけれどそれと同じくらいに大切なのはBOYSと相方だから、私もずっと相方の味方でいるんだ。

そんなことを大真面目に考えていました。

あの子がいなくなったあの日までは。

 

今思えば、高いプライドと表裏一体で弱いところを持ち合わせた子だったんだと思います。

遠い未来まであの子の味方でいると決めていた私の想いは、あの子がいなくなったことで行き場を失って彷徨うしかなかった。

だからその弱さを受け入れることなんて私にはできなかったのです。

恨んで恨んで、一生あの子のことは許してやらないと周りの人たちに告げました。

だって、濵田担の私があの子のことを許してしまったら一体誰が濵田さんの代わりに怒るんでしょうか。

あの子を許さない権利があるのは濵田担だけなんだから。

当の濵田さんはあの子に何もしてやれなかったと自分を責めることしかしないに決まってる。

だったら、そんな濵田さんの分まであの子を許さないでいなくちゃならない。

それだけではなく私や私ではない濵田担たちがあの子のことを許さない限りは、影も形も消えてなくなったBOYSというユニットは濵田担の中に存在し続けるじゃないですか。

あと、もう一つ。

あの子が必死で隠していた弱い部分に気付いてあの子の肩の荷を軽くしてあげられなかった、勝手にあの子に強さを望んで結果的にあんなことにさせてしまった罪がBOYS担にはあると悔やんでいるから。

だから私は今でも許していません。

私が濵田さんの応援を続ける限りは許したりなんかはしないでしょう。

濵田さんが芸能界でどれほど輝いたとしても、そんな濵田さんの相方だった子とBOYSというユニットを守れなかった罪をあの頃のファンは背負い続けなければならないのですから。

勿論、私も。

 

今でも濵田さんの隣にはあの子が一番似合っていたと思います。

立ち姿もダンスもトークも、そして何より歌った時にハーモニーがピタリと合わさるその相性の良さはまさに奇跡的で。

それらが忘れられなくて、あの子が優しい顔で“はまちゃん”と自担を呼ぶ時の独特のイントネーションが今でも耳許でリフレインするのです。

だけど濵田さんはジャニーズWESTのメンバーとなり、WESTはあの子が去ってから独りぼっちだった濵田さんがやっと手にした居場所で、WESTメンバーは濵田さんにとって唯一無二の存在となりました。

私もジャニーズWESTを愛していて、そう思えるようになったのはメンバーがいてくれたからこそです。

ジャニーズWESTが大空にかける七色の虹を私が地上から見上げる日が早く来ますように。

今の私は、それを待ち望むジャニーズWEST担です。

 

マシュマロを私に投げた方はまた何かの機会にジャニーズWESTを見て下さることがあるでしょうか。

WESTが歌う『証拠』を耳にした時、あの子とあの子の隣に立っていた濵田さんのことを思い出してBOYSを応援したことも思い出して胸があたたかくなればいいなぁ。

勝手ですけれど、そう思わせて下さい。

あの子を忘れることはないけれど、そう思わせて下さい。

むかしむかしBOYS担だった、BOYSが好きで好きでたまらなかった私からの、お願いごとです。