はぴはぴかむかむ

濵田崇裕さんのあれこれとか。X→@hamataka1219

やがて彼へと降り注ぐ恵みの雨

私的市場三郎さん@東京公演の見納めは昨日5月5日でございました。
えぇ、見納めなんて偉そうに言えるほどの回数は観ておりません。
身近なヲタ友ちゃんたちはそれこそ「どうしても家や仕事の都合がつかない日以外は全公演観劇」という勢いだし本当に全ステしちゃう人だっているんだろうから、そんな猛者たちと比べると私なんぞ…。
でもまぁ私のヲタ活のテーマは“日常生活に支障をきたさない範囲で精いっぱい頑張る”ですのでこれでいいのだ!バカボンのパパなのだ!←アホ
そんなこんなで、新大久保に建つグローブ座という立派な劇場に足を踏み入れた田舎住まいの観劇シロートが感じたことなどを綴ってみようかと。

東京グローブ座は、元々シェイクスピア作品を演じるために造られたものだったはず。
ジャニーズが実質的に運営することになって眉をひそめた演劇ファンが少なくなかったと記憶しています。
そういった経緯があるにしろ数々の名作を名俳優が演じてきた舞台で、そのグローブ座の舞台ど真ん中に立つ濱田崇裕をこの目に映すことができて本当に良かった。

濱田さんはジャニーズタレントとして仕事していく上での色々な特技を持っている人です。
歌が得意で、ダンスもそこそこ踊れて、アクロバットもできて。
でもジャニタレって何もオールマイティでなくともいいんですよ。
飛び抜けたルックスを持っているならそれが一番!芸能人にとって整った顔面は才能だもーん。
ルックスが比較的平凡だったとしても、歌がとても上手いとかダンスが魅力的だとか、ファンを惹きつける特出したものが一つあればそれだけで充分なんです、その一つを磨いて武器として生きていけばいいから。
だからこそ「○○くんは歌も演技も達者だけど器用貧乏なんだよねぇ~」なんて揶揄される人がいるんだろうね。
まさに濱田さんもそのタイプでした。

そんな濱田さんが「Tough Weeds」のトシローや「少年たち~Jail in the Sky~」の看守長という役と出会い、初の外部舞台である「大和三銃士」の花輪嵐と運命的な出会いをした。
その巡り合いによって彼は、役者こそが生きる道だと神様によって定められたのだと思います。

濱田さん本人は歌うことが大好きで、飛んだり跳ねたり華麗にアクロをキメたりすることも大好きで、誰かを笑わせることも大好きで。
ダンスは好きじゃないっていう発言が多々あるのでそこには触れないでおこう(笑)←過去にダンスについて誰かにトラウマになるようなことを言われたりしたのか?はて…
とにかくあっちにもこっちにも興味関心が向いていて何でもやってみたくてたまらなくて、別に現時点で役者業をメインに生きていこうだなんて毛頭考えてないんじゃないかな。

でもね。
本人の思いとは裏腹に、何か大きな力によって進むべき道が用意されることってあるんだよ。
そこそこの年数生きていると、誰にだってそういうことが起きているはず。
それを人間は「神」だとか「運命」だとかって言葉で表現するのだと思います。

濱田さんの場合は。
簡単ではないと思ってはいたけど、指を伸ばせば掴めそうだったデビュー切符をあんな形で落としかけて。
再度切符を手に入れたものの、彼が彼として輝くことができる場所を与えられるのは厳しいと思わざるを得ない扱いで。
デビューしてからしばらくの間、彼自身が雑誌媒体などで何度も「30歳を過ぎた頃に立場を確立できればいい」「夢を叶えられるのは10年後くらいかもしれない」といった発言を繰り返したのはそれを覚悟していたからなのでしょう。
だけど周りの人たち…ジャニーズWESTのメンバーだったり濱田さんを愛するスタッフだったり…そういった彼を応援してくれるたくさんの人々の熱さと、真摯に努力し続ける本人の汗と涙が混じり合って水蒸気となり。
やがて彼へと降り注ぐ恵みの雨となったのが、今回の「市場三郎~温泉宿の恋」主演。

愛する座組を得て、もちろん彼自身も座組を愛して、毎日毎日楽しくて幸せでどうしようもないことが一度観劇すれば誰にだってわかる。
グローブ座の舞台を汗だくで所狭しと駆けずり回り、板の上どこにいてもスポットライトをシャワーのように浴びながら観客の笑いの波を受け止めて。
ジャニーズWESTとして歌っている時も踊っている時もカッコいい、それは間違いないけれど、たった一人でグローブ座の舞台に立つ彼は最高に最強にキラキラと輝いていて。
その姿にみーんな魅了されちゃった。

舞台の神様に愛された濱田崇裕、そんな彼を心ならずも愛してしまった私たちファン。
その中の一人である私は、次は大阪のシアター・ドラマシティへと足を運びます。
板の上で濱田さんが、いや市場三郎くんが待っているから。
三郎くんにたった2時間会うためだけに、哀れな子羊(出産間際のオッサン山羊じゃないからね?そこ間違えないでよw)たちはチケットという名前の悪魔のアイテムを握りしめ、足繁く劇場へと今日を足を運ぶのでした…。

おわり。

事務所は濱田崇裕を何者にする気なんだろう?

「市場三郎~温泉宿の恋」初日からぶっ通し3日間観劇を終えてからというもの。
仕事をしていても遊んでいても家で寛いでいても、ちょっとぬるめで浸かっているとじ~んわり身体が温まってくるいい湯加減の温泉が恋しくてたまらなくて、ふとした拍子に頭の中に♪ホットパン~ッ♪という例のテーマ曲が流れるという不治の病に罹っちゃってます。
 
良作のテレビドラマや映画に出会うと、見終わってから何日間も余韻に浸るってことがあるんだけど。
演劇ってやっぱりドラマより映画より、役者さんたちが目の前で演ずることによってダイレクトに心に響くよね。
画面やスクリーンを介せずに演者の体温を感じることができる空間ってすごいなと改めて痛感しました。
 
「市場三郎~温泉宿の恋」は、くだらなくて馬鹿馬鹿しくてナンセンスで正論なんてほとんど劇中に転がってなくて、だけど大部分大笑いしてちょっとした部分に共感したりほろっとさせられたりで最終的に「あぁこの世の中の何気ない営みこそが愛しいんだな」と思える作品です。
濱田崇裕というジャニーズタレントのファンが一度観て夢中になるものではないかもしれない。
派手なアクションやカッコいい殺陣、煌びやかな演出に心ときめかせるタイプの演劇じゃないもの。
だけど『人間って何なんだろう?』『生きるって何なんだろう?』という永遠のテーマが根底に流れていて色々と考えさせられる作品だと思います。
 
初日観劇後初っ端のTweetはこれ。



 
まだまだ駆け出しどころか役者としてはひよっこでしかない濱田崇裕、彼が持つ武器は安定した歌唱力と高い身体能力なのに、敢えてミュージカルでもなくアクション活劇でもなくわざわざ人情喜劇に出す。
その意図を推し量れなくて。
 
恒例の“観劇後の本人不在の反省会(という名の単なる飲み会)”で仲間うちでうだうだと感想やらダメ出しやらをしているうちに考えがまとまってきたのか、こういうTweetをしています。



 
最近、小劇場出身の役者さんたちが30代半ばあたりから頭角を現し、40歳前後で人気俳優のポジションを得るという現象が多数見られますよね。
その理由って
・劇団の定期公演を重ねてきていてステージの場数が半端じゃないため即戦力になる
・これまでに様々な役柄を演じてきているため普通の人でも変人でも演じ分けられる
・若い頃からテレビドラマに出演して茶の間ファンに固定イメージが付いていないので新鮮味がある
こんなところでしょうか。
 
全くの私見ですが、事務所は濱田崇裕という所属タレントをこういった役者さんたちと似たような売り出し方をしていくつもりなんじゃないかなぁ。
「えっ、濱ちゃんはあくまでもジャニーズ所属のタレントだよ?本業であるアイドル業の傍ら役者やっていくスタンスしか無理でしょ。役者専業それも演劇畑出身の人たちのやり方模倣なんて有り得ないって!」
なーんて言われちゃいそうですね。
だけど、アイドルグループの有り様というのも変化してきていると思うのです。
 
これまでならまず所属するアイドルユニットの人気を確立して、そのユニットの知名度を利用して役者業やらタレント業へと進出していくのが定番だったけど。
ジャニーズWESTはそれを踏襲しようとはしていない気がする。
事務所はジャニーズWESTのメンバーを細々としたローカルドラマ仕事だとか舞台だとかひな壇タレント的なお仕事に押し込んで、それで食い繋ぎながら同時に知名度をUPさせて母体であるジャニーズWESTへと新規ファンを呼び込もうとしている。
つまりこれまでとは逆パターン。
そう私は睨んでいます。
 
そっちの方向で考えると辻褄が合うことがたくさんあるんだよね。
しげや淳太の雑多なお仕事内容、朝ドラ大役にいきなり捻じ込まれた照史、片っ端からドラマ出演している流星、いきなり重いテーマの舞台主演をさせたかと思えば先輩バータードラマなのぞむぅ、突然の抜擢による劇団☆新感線出演の神ちゃん。
全く統一感が無くて、統一感が無いこと自体に一貫性があるんだよなぁ。
 
ジャニーズWESTというユニットでのブレイクを見据えて、それを実現させるための戦略としての今のジャニーズWEST各メンバーのお仕事だとしたら。
すっごくすっごくワクワクしませんか?
今後のジャニーズWESTの今後の進路には期待しかないですよね。

メンバー各々が得意分野を活かせる単独仕事…今時のルックスを活かしたツインのゴールデンタイムドラマとか、淳太の報道関係のお仕事とか、幅広い層に支持されるお茶の間アイドルしげとか…を獲得して、それがユニット人気に還元されるとか最高じゃない?
そして同時に、事務所が一度は役者として売っていこうとしていた濱田さんの将来にも明るい兆し以外何も見えない。
一体濱田崇裕が何者になるのか、規定の型枠になんて填まらない新しいジャニーズタレントの形を濱田さんが体現してくれる、そう信じています。

いい湯沸いてます! @歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋 初日

待ちに待った日がやってまいりました!!!


ジャニーズWESTの濱田崇裕(27)の単独初座長公演「歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋」が東京グローブ座で4月22日開幕。


共演者のまりゑさんがご自分のblogで


>東京グローブ座

>いい湯沸かして待ってるよ!!


と綴っておられた通り、グローブ座客席にいた私たちはぽかぽか湯加減の温泉に2時間浸かりっぱなしとなりました。


座長が言っていたとおり、シュールです。

シュールすぎます。

140字で簡潔にレポを落とす修行を長年に亘って積んできたジャニヲタ諸氏を以てしても「ううう~ん」と唸るしかない、そんな舞台です。

そりゃもう、スマホしゅっしゅっの指も止まるってもんです。

ええ、例に漏れず私も。


しかしこれだけは言っておきたい!

東宝ミュージカルや宝塚、劇団四季に通った経験のある舞台観劇ヲタの方なら予備知識不要ですが。

「えっ、学校や仕事や家事が忙しくてジャニ追っかけるので精一杯だから、他ジャンルに足を運んだことなんて…」という方。


☆ウエストサイド物語

☆Annie

レ・ミゼラブル

☆天使にラブ・ソングを

ジーザス・クライスト=スーパースター


くらいはYouTubeか何かで予習していったほうがいいよ、楽しめるよ。

うん。

特に有名すぎるロックミュージカルのジーザス・クライストは勉強必須。

それさえやってれば。


…ホットパンツ登場の度に5割増で笑えるからw


いやぁそれにしても、福田転球さんも河原雅彦さんもひどいったらない。

不朽の名作「ジーザス・クライスト=スーパースター」をあんな料理…する?しちゃう?

ジーザスの熱烈ファンが観たら憤死する勢いじゃないかっwww

いいのかよっ!


何のこっちゃワカランって方、是非ともグローブ座へ足を運んで自分の目と耳で確かめてみて下さい。

毎公演、当日券が70枚程度出るそうですので「手元にチケットないんだけどっ」という方も諦めないでね。


あっ忘れてた、宇多田ヒカルさん母の藤圭子さん「圭子の夢は夜ひらく」もカラオケで歌っておきましょう。

これも大事、それが大事。←どっかにそんな曲があったっけ?


とまぁ馬鹿なプチネタバレばかり垂れ流しましたが。

座長の濱田崇裕は全力投球で舞台上を駆け回っていますよ!と声を大にして触れ回りたいです。

役者:濱田崇裕の蕾が綻びかけているその瞬間をリアルタイムで目にできる。

そんな贅沢、他にはない…!


はっきり言って座長はいっぱいいっぱいです。

仕事中に配送伝票を取り出すというシーンでぶるぶる震える手。

まだ舞台序盤だというのに首筋を伝う異常な量の汗。

組み込まれたアクロバットに歓声を上げる客席のファンにチラリと目をやる余裕すらない。

「ここまで追い詰められた濱田崇裕の姿なんて見たことないんだけど…」って呆然としてしまいました。


だけど、舞台に生きる濱田さんは文句なくカッコいいです。

百戦錬磨の共演者に揉まれて足掻いている姿は美しいです。


そんな濱田崇裕が沸かすいい湯に、あなたも浸かりにいってみませんか?

ジャニーズWESTデビュー2周年

ジャニーズWEST、デビュー2周年おめでとうございます。


2013年の夏はただただ無邪気に「この7人にでっかい波来てるなぁ」「もしかしてもしかすると7人括りでデビューできちゃったりする?」とANOTHERを観ながら胸をときめかせていました。

秋は秋で大和三銃士という世界を華麗に駆け回る自担の姿を目にして手応えを感じていました。


その数ヶ月後に起こることも知らず…。


2014年4月23日に7人という形を手にしたことで、濱田崇裕のファンとして少しだけ安心したものの。

それからも平坦な道のりだとは到底呼べず。

格差だとか売上だとか知名度だとか、濱田崇裕の行く手を阻むハードルはあまりにもたくさんあって。

だけどそれらの高い高いハードルは、果たして濱田崇裕という人ひとりで乗り越えることができるものだったのか?

それを考えた時にしみじみと「濱田崇裕がジャニーズWESTのメンバーでよかった」「6人の仲間がいてよかった」という想いが湧き上がってくるのです。


私は濱田崇裕至上主義を叫ぶファンです。

そして今でもBOYSというユニットが胸の一番深い場所に在り続けます。


だから昔の仲間の「デビュー2周年おめでとう。」「応援してるからね。これからもお互い頑張ろうね。」というtweetを目にしてしまったら胸がぎゅっと締め付けられるんだけど。

ちびっこだったBOYSのみんなが愛しくて愛しくて精一杯の声援を送ったあの春夏秋冬を思い出して泣いてしまうんだけど。


それでもね。

今は本気でこう口に出せます。


ジャニーズWESTが大好きだよ。

ジャニーズWESTが大切だよ。


きっとジャニーズWESTアスファルト舗装された道なんて歩けっこないけど。


遠くまで続くであろう夢の階段を1段飛ばしでかけ上がって。

不安も憂鬱も道連れにして息切れしながらドタバタと。


そう。

UME強引オン!の歌詞みたいに、7人でならどんな苦労だって笑顔という武器で毛散らかして。

夢を掴み取ってくれると信じています。

その目に宿すは、果てしない未来

私がある関西ジャニーズJr.の男の子に目を留めてからはや十余年の月日が過ぎ去りました。

彼を担当と呼ぶことになったきっかけなんて成り行きとしか呼べない程度のもので。

だけど応援対象を複数人持つ、いわゆる「カケモ」することをよしとしない私が彼を担当Jr.にすると決めた日に誓ったことがありました。

それは。

この華奢で、幼くて、頼りなさげで、だけどその目に溢れんばかりの夢と果てしない未来への希望を宿した男の子が一人前のジャニーズタレントになるまではファンを辞めないでいよう。

この男の子がステージのど真ん中に立つ日が来ると信じ続けよう。

その日がいつやってくるかわからないけれど。

それどころか本当にそれが実現するかどうかすらわからないけれど。

それでも。

その誓いを破ることなく、今日までやってきました。

ある日、半信半疑でファミリークラブへと送ったファンレターの返事が我が家のポストに届きました。

葉書には「ファンになってくれてありがとう」「デビューできるかわからんけど」「その日までファンやめへんと言ってくれてうれしい」と書き殴られた文字が踊っていました。

それから紆余曲折があって。

夢にまで見た彼のCDデビュー日を迎えた私は笑うことができませんでした。

ユニット結成時のごたごた、不本意な4+3の形、やっと辿り着いたデビューなのにその有り様を喜べませんでした。

あのデビューから、もうすぐ2年。

小さかった男の子はまるで蛹が蝶へと羽化するかのようにすっかり大人の男へと様変わりし、2016年4月22日にグローブ座のステージど真ん中に立ちます。

板の上でスポットライトを浴びる彼の姿を見て、今度こそ私は心の底からの笑顔を見せることができるでしょう。

「市場三郎~温泉宿の恋」初日まであと一日。

宝物になった葉書を握りしめ、私は劇場へと向かいます。

Twitter、旧blogその他

ジャニーズWESTの濱田崇裕担




2002年入所組関ジュ溺愛




自担至上主義




松竹座に永代供養塔を建てたい系女子(という年齢ではない)



Twitterは @hamataka1219
旧blogはhttp://blog.crooz.jp/happyhappycomecome/




以上、よろしくお願いいたします。

私にとってのターニングポイント【ジャニーズWEST ラッキィィィィィィィ7 福岡24日1部】

ラキセコン@マリンメッセ福岡、24日1部公演のお話しをしたいと思います。
ただし、感動的な公演内容についてのレポではありません。
それは既にTwitterやBlog等でたくさんの方が語っておられるので不要ですよね。
このBlogは“私という一ファンが、どのように24日1部公演に臨んでどのように心が揺れ動いたか”の個人的記録です。
 
数日前から天気予報では「23日から24日にかけて九州地方を中心に数十年に一度の大雪」と繰り返されていて。
23日、地元を発つ時点ではうっすらと空は晴れていました。
この分だと福岡へ行くこと自体は問題はないだろう、しかし果たして24日は自宅へ帰るための交通機関は動いているのか?それ以前に23日夜から24日朝にかけて荒天となった場合に24日のコンサートは開催されるのか?などとぐるぐる考えながら旅行用バッグを抱えて新幹線に乗り込み。
行きは難なく福岡着、プチ観光もしてその後ラキセコン23日公演を楽しみ、そして公演後はお友達との飲み会で大いに盛り上がって。
夜11時過ぎに飲み会がお開きとなった時には空からひらひらと舞い落ちる白いものが積もり始め、空気は露出している部分の肌を切るように冷たくて「明日は一体どうなるの…」と暗澹たる思いでした。
 
24日朝、お友達と一緒に泊まっていたホテルのカーテンを恐る恐る開いてみるとそこは静まり返った銀色の世界。
交通至便な博多駅近くの宿、通常なら目前の道には多くの自動車が行き交っているはずなのに歩いている人以外の車両はほとんど見かけることがなく。
「これは…思った以上だ…、早めに行動しないと開演に間に合わない!」
お友達とホテルのお隣のカフェでモーニングセットをそそくさと食べ、マフラーや手袋で完全装備して駅前のマリンメッセ行きバスの列に並びました。
かなりの時間バスを待ちましたが、無事にバスに乗り込むことができてそれなりの時間に会場に到着。
後から知った話ですが、これはバスを運行している西鉄の社員の方々の「何とかバスや電車を市民のために走らせよう」という努力の賜物だったそうです。
もし西鉄が降雪を理由に運行していなければ、多数のジャニーズWESTのファンが駅前で難民となっていたことでしょう。
そういった一つ一つの好意が積み重なり、無事に24日の公演が開催されたのだと思います。
本当に感謝の念に堪えません。
 
会場に入ってはみたものの、客席には空席が目立ちました。
当たり前です、博多駅までの電車が雪で立ち往生して中で缶詰になっている人や、バスやタクシーに乗り込むことができず必死で徒歩で会場を目指している人が少なくなかったのですから。
何とか定刻までに会場入りできたファンにしても「急遽中止になったりはしないのだろうか」という心配事を抱えたままで。
開演時間が過ぎても延々と続く注意事項のアナウンスと歌なしのジャニーズWEST曲カラオケ音源、そしてそこで起こったのが『ファンによる大合唱』です。
“本人不在の誕生会”ならぬ“ジャニーズWEST不在のジャニーズWEST曲大合唱(それも振付込)”が起こったのです。
会場にいたファンが寒さと疲労と不安でみんなしてナチュラルハイになっていたからこその珍事だと思います。
だけど、あの時会場にいた私たちは至って真面目でした。
ある人は立ち上がって、ある人は座ったまま、普段は斜に構えているタイプの髪を巻いたギャルや綺麗なワンピースを身に纏ったOLさんたちまでもが本気で振付込のカラオケ大会を繰り広げるなんて。
そして私も。
10代メインのジャニーズWESTのファン層の中では肩身が狭い年齢ということもあり、普段はアンコール期待の手拍子くらいはしても声を出すなんて恥ずかしくて…というタイプのファンなのですが、この日ばかりは隣の席にいる同世代の友達と一緒に思わず粉もんを口ずさんでいました。
会場のファンがええじゃないかと粉もんをフルで歌い踊り、どこからともなく「歌い切った私たちGJ☆」とでもいうような拍手が沸き起こってそれに大笑いしたところで落ちる客電、スロットマシンから滑り落ちて登場するメンバー。
そこで重岡くんが叫んだのです、「みんなの声、聞こえてたぞぉーーーーーっ!」と。
続いて照史くんが「オマエらの歌聞こえてたぞ、オマエら最高やぁ!」と。
外は深々と降り積もる雪、だけどあの瞬間のマリンメッセ福岡は日本中で一番熱い場所となったのです。
 
そしてそれだけではなかった。
神山くんが挨拶の時に空席が目立つことに触れて「その人たちのためにも会場を盛り上げておきましょう!」と言葉にしてくれた。
淳太くんも「来られなかった人もいると思います、また絶対に福岡に戻ってくるから!」と言ってくれた。
この日、家族の反対でコンサートを諦めたり交通機関の乱れで時間までに辿り着けなかった人にも想いを馳せるジャニーズWESTメンバーは素敵だ、と素直に感じたのです。
 
私は所謂『虹色ジャスミン』ではありません。
濱田さんのデビューが決まるまで10年以上もの間、濱田さんが崖っぷちに立たされる度に何度も心が折れそうになりながらも「絶対に濱田さんはデビューするべき人だから。ここで辞めるわけにはいかない、彼のデビューを見届けるまでは意地でも担降りなんかしない!」と気持ちを奮い立たせて濱田担を名乗ってきました。
正直B.A.D.も7WESTも関西ジャニーズJr.の仲間だという意識ではなく、限られたデビューの椅子を奪い合うライバルだという考えしか持っていない期間が長かったのです。
それでも少年たちでの7人括り、その後の7人揃っての露出を見て「あぁ、この人たちが濱田さんと一緒にこの先テッペン目指していく人なのかもしれない」と思い始めていた。
「一緒にテッペン目指そう」と自担に笑いかけてくれた人はもういない、それでも新たな仲間ができたのならば今度こそ後悔なんてしないようにその人たちを私は精一杯応援していこうと思い始めていた。
その矢先に、あのカウコンでのジャニーズWEST4発表。
もう何も信じられないと思いました。
もう誰のことも信じないと決めました。
それから2年の月日が流れましたが、今でも私の心は凍り付いたままです。
東京ドームで4人(小瀧くんは年齢不足による観覧だったのでマイクを握っていたのは3人でしたけど)で歌ったええじゃないかは世界で一番嫌いな曲のまま、今でもコンサート会場でええじゃないかを楽しく歌うことは私には無理です。
唇を噛み締めてええじゃないかが終わるまで立ち尽くすことしかできない。
それでもマリンメッセ24日1部では、ステージ上で全開の笑顔を振りまきながらええじゃないかを歌うメンバーを優しい気持ちで見つめることができた。
一糸乱れぬ振付を披露する客席のファンたちのことも温かい眼差しで見守ることができた。
 
24日1部に生み出された、重岡くんの名言。
「忘れられないライブになる予感がしてます。これで俺らが返せへんかったら、男が廃るっていうか。アイドルが廃るっていうか!」
「生きてて良かったなって思う瞬間があるじゃないですか、それがまさに今日の幕が上がる前でした」
「俺たち、まだまだ上行きたいし行けるって思ってるから。これからもよろしくっ!」
これらの言葉、多分福岡に行く前の私なら張り巡らされている心のバリアが跳ね返してしまっていた気がします。
そんな私の心に何故か24日1部のこの重岡くんの挨拶はスッと忍び込んできた。
そしてこの人たちが7人で描いていく夢の形を自分も一緒に追いかけたい、微かにそう思った。
その訳は…。
ジャニーズWESTのメンバーと、雪にも負けずマリンメッセに辿り着いたファンが生み出した熱量によって、凍り付いた私の心がほんの少しだけ溶かされたからだと思います。
 
きっとマリンメッセでの24日1部公演は、頑なに『濱田担』だと名乗り続ける私にとってのターニングポイントになることでしょう。
この先「私はジャニーズWESTのファンです」と胸を張って自己紹介できる日が来るとすれば。
それは間違いなく、24日1部公演のお蔭だと思います。